2018年3月12日月曜日

「僕はバク転ができない」


   ~天才は希少種である~



皆さんは空を飛ぶことができますか?

私にはできません。


人間はあくまで知能に突出進化した生物なので、
空を飛ぶことはおろか、
野生動物のように俊敏な動きは出来ません。


でもバク転程度なら?


これならある程度練習を積むことで、
出来るようになる人間は多いと思います。


ちなみに私はバク転なんて全くできません


仮に体操のコーチに1日みっちり教えてもらっても、
初日はひたすら転倒してしまうと思います。


飛ぶ角度や姿勢が悪かったのか、いずれにしても
ポイントがジャストでなかった為に失敗するのです。

ところが練習を繰り返し、
飛び方や姿勢をコーチから何度も指摘されることで
正しいフォームを覚えていき、
いずれは成功するようになります。


当たり前の話ですね。


上達のためには反復練習が不可欠で、
コーチから完璧な指導をされても
本人が努力をしなければ決して出来る様になりません。


これはポーセレンの築盛や歯型カービングも同様です。


セミナーに出席して陶材の盛り方やレシピ、
歯の形態の取り方を学ぶと、
なんだかすぐに出来るような気になってしまいます。


普段から慣れ親しんだ作業の延長であるため、
4回転ジャンプよりずっと現実味があるのでしょう。


しかしいざラボに戻って普段の臨床で実践してみると、
どうにも思うようにいかないことが多いはずです。


見本と全く同じに彫れば良いだけの模刻でさえ、
練習しなければ出来る様にならないのが人間なのです。


大した練習もせずに上達する人のことを天才と呼びますが、
天才は人間社会において超絶レアキャラです。


芸能人よりもレアなので、
滅多にお目にかかることはできません。


つまり身近にいる「天才に見える人たち」は、
みんな相当な努力家なのでしょう。



          ライター:髙瀬 直